台湾に留学する日本人が増えている。安い学費に比して語学教育も充実。さらに、奨学金や生活費の支給まで受けられるコースもある。近年の経済界の動きが影響している。
6月、東京都内と横浜市内で2日間にわたって台湾の留学説明会があった。主催は、日本の文部科学省に当たる台湾教育部がつくった日本台湾教育センター(東京都)。宮城県や沖縄県などから計200人以上が来場し、各大学のブースに列ができた。
英語教育に力を入れる台湾
都内の高校1年の男子生徒は「日本の受験勉強は苦手。台湾の大学に進むと、英語や中国語で勉強し、語学まで身につけられる」と意欲が湧いてきたという。
静岡県内の高校3年生の母親は「娘の留学希望を知った当初は反対したが、台湾の教育水準の高さや学費の安さ、治安の良さと、調べれば調べるほど『いいじゃない!』と背中を押したくなった」。
一般社団法人・台湾留学サポートセンター(茨城県)によると、台湾では1年間の学費が50万~75万円。センター代表は「米国の1~2割、マレーシアにある欧米大学の分校の半額程度」と説明する。
また、台湾は以前から英語教育に力を入れており、近年は留学生受け入れのために、英語による授業をさらに充実させているという。
日本からの留学生は増えている。
日本台湾教育センターによると、2012年度に4457人だったが、19年度には1万人を超えた。コロナ禍で落ち込んだものの、24年度は8779人まで盛り返した。留学生の国籍別では、ベトナム、インドネシア、マレーシアに次ぐ多さだ。
台湾トップ水準の台湾大のブ…